日本乳幼児精神保健学会誌 vol. 14 の編集を担当させていただきました

日本乳幼児精神保健学会が定期的に発行しております、日本乳幼児精神保健学会誌 vol. 14の編集を担当させていただきました。以下に編集後記を掲載いたします。

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 新体制になって2冊目の学会誌、14号をお届けします。

 巻頭言で川畑先生が提示しておられますが、コロナ禍で、これまで当たり前としてきた「人と人とのつながり」が希薄になっている時期だからこそ、改めて「関係性」を問う特集を組みました。

 執筆いただいた先生方の臨床現場は、クリニック・相談所・地域保健・保育所・司法・大学など、多彩です。しかし、根底に流れているのは、揺らぐことのない乳幼児精神保健の理念です。

 さらに小倉先生は、虐待に苦しむ親子の遠因は、明治維新以来の無理を重ねてきた歴史のひずみにあると、示唆しておられます。澤田先生の里親体験は、人が「愛されて育つ」過程を、身をもって伝えてくださっています。ここでも、時空を超えた、長い年月の縦糸と多様な育ちの横糸が響き合っているようです。

 今回の用語解説も具体的で、親子に日々接しておられる皆様にとって、お役に立つことでしょう。

 師走には郡山での全国学術集会があります。残念ながらオンライン開催となりましたが、一人でも多くの会員に参加いただき、本誌に通底している現場重視の実践を、共有できますことを楽しみにしております。

編集委員 伊東真理子